元来価格というものは原価とは無関係のものだ。価格はその商品のもっている機能と需給関係から決まるものであって、原価から導き出されるものではない。たとえば、この品物は苦心の作で、原価はこれだけかかっているからこれこれの値で買ってくれ、といってみても、機能が悪ければだれも相手にしてはくれないだろう。本田技研の社長が、「お客は一生懸命賃は出してくれない」といっているのは、実に至言であると思うのである。
◉無関係な価格と原価を結びつけようとすることに大きな矛盾が生じている
⇒価格と大きく関係する「付加価値」を基準にするべき
コスト・ダウンということも、現事業の費用について適用するのが本当であって、現事業費も未来事業費もいっしょくたにして、“安上がり”にするというのは間違っているのである。
真の意味のコスト・ダウンは、現事業費にのみ適用するのが本当であり、コスト・ダウンの目的は、いかにして多くの未来事業費を生み出すかにあるのである。未来事業費こそ、会社を存続させ、発展させる原動力であるからだ。
もちろん、未来事業費は多いだけが能ではなく、効果的な使用、畠山氏のいうボルテージの高さが必要なのはいわずと知れたことであり、そして、その最も大切な使途として、“人材養成費”があげられる。これはもはや“経費”ではなく”’投資”であって、しかも、最も有利な投資といえよう。ここにも一つの考え方の革命がある。
◉安くするものが目的ではなく、そのお金で未来をつくることが目的
⇒お客さまに対しても強く訴えていくと同時にお金の使い方を今一度見直していきたい
生産性を高めること、すなわちより多くの生産価値(限界利益)を生み出すことこそ経営者の使命であり、企業がその存在を許されるのも、生産価値を生み出すからなのである。決して利潤を生み出すからではない。そこにあるものは、原価を安くして利益をふやそうというような古い概念ではなく、生産性を増大させることによって会社を発展させ、社会に貢献するという積極的な前向きの考え方なのである。
◉価値観の違い 考え方を変えていく
⇒玉(コンテンツ)とピストル(表現方法)のいずれも重要
様々なアドバイスを実践していく